イリザロフ（リングまたはサーキュラー創外固定）法

脚延長や変形矯正手術において革命的だと考えられている手術法です。イリザロフ医師が開発したリングシステムによる脚延長手術には、多くのメリットがあることが判明しています。

この手術法は、綿密に計画された症例、特に脚が短かったり変形があったりする患者さんにおいて非常に高い効果を発揮しています。

ただし、患者さんは長期にわたり、多数のワイヤーやネジが使われている装具を装着する必要があります。そのため、日常生活の質が低下しますし、感染症にかかる可能性もあります。また、他の方法と比較した場合、装具を外した後に多くの傷跡が皮膚に残ることから、一般に「整形的」であると考えられており、見た目を重視した手術としては好まれなくなってきています。

片持ち式（ストレート）創外固定／ホリフィクス法

イリザロフ法の問題点を解決するために、近年ではリング状ではなく、両脚の片面だけに装着するタイプの装具が開発されています。形態としてはさまざまなものがありますが、基本的な考え方はどの装具でも同じです。

ここでは、使用する装具を選択する際に、この処置を行う医師の経験値に注目することが、患者さんにとって大変重要になってきます。片持ち式の装具はリング式に比べやや楽ではあるものの、残念ながら、サーキュラー創外固定器などと同様に体外に装着するため、快適であるとは言えません。

複合法（髄内釘併用の骨延長術法）／LON（lengthening over nail）法

創外装具と体内装置を併用し、患者さんがより快適に過ごせるようにする方法です。この手術法の最大のメリットは、治療期間が短いことです。

例えば、脚を5センチ伸ばす場合、創外装具（固定器）だけだと、骨癒合が確認されるまで約5～8ヶ月かかります。複合法を採用すれば、この期間が約2ヶ月に短縮されます。

>脚の延長が完了したら、外から見える固定器を外し、体内の髄内釘によるサポートで骨形成を完了させることが期待できます。創外固定器のみの処置より料金は高くなりますが、体内のみに装着する磁気システムに比べると料金は低く抑えられます。

また、これらの装具は安定性が高いため、手術の翌日から足に体重をかけて歩くことができます。デメリットとしては、創外固定器のみの場合に比べ手術時間が若干長くなることと、手術に経験が必要なことくらいです。

そこで、この方法を選択する場合、医師はこれまでの経験を患者さんと共有し、お互い「信頼」に基づいた患者・担当医の関係を構築することが重要です。最後に、この手術法による感染症のリスクは、体内のみに装着する磁気システムよりも若干高くなります。

電動髄内釘法（遠隔操作で延長する磁気システムを骨内に設置する方法）／プリサイスII＆ストライド法

技術の発展に伴い、創外固定器を一切使わず、遠隔操作で延長する髄内釘が実用化されました。この手術法における最大のメリットは、他の方法と比較して傷跡が少なく、患者さんがより快適に過ごせることです。

この方法は、できるだけ早く仕事に復帰したい方に特にお勧めです。術後の痛みは、他の手術法と同様ですが、体外に装着する装具がないため、他の方法に比べてより快適に、よい早く動けるようになるのが特徴です。

また、皮膚の表面に触れる装置がないため、感染症のリスクも他の方法より少くなります。

>最も理想的な「美容的」脚延長手術であるこの手術法の最大の欠点は、電動髄内釘の価格が高いことです。しかし、技術の発展とともに、こうしたコストは低下していくと考えられています。